くも膜下出血の予後を悪くする3つの因子とは?
くも膜下出血を起こして社会復帰できる確率は約30%です。
残りの7割の方は死亡してしまうか、重度な後遺症が残ってしまいます。
くも膜下出血はそれくらい恐ろしい病気です。
できればくも膜下出血を起こしても社会復帰したいものです。
では、どうして社会復帰できる方もいれば死亡してしまう人がいるのでしょうか?
この現実を理解するには
くも膜下出血発症後に予後を悪くする因子を知っておく必要があります。
予後を悪くする因子に該当すればするほど
社会復帰できる確率はどんどん下がっていきます。
そして予後を悪くする因子はたくさんあります。
たくさんありますが代表的な因子を3つご紹介します。
くも膜下出血の予後を悪くする3つの因子
予後を悪くする因子1.再出血
くも膜下出血は頭の中にある脳動脈瘤が破裂して大出血を起こす病気。
当然社会復帰するためには大出血を止めて
今後二度と出血を起こさないような治療をすることが重要です。
ですが、もし再出血を起こしてしまったなら
予後はかなり悪いと言えます。
再出血はくも膜下出血を起こしてだいたい24時間以内に起こることがほとんどです。
そして再出血を起こした患者さんの約8割は亡くなってしまいます。
予後を悪くする因子2.脳血管攣縮
脳血管攣縮とはくも膜下出血を起こした後に
脳に存在する血管が縮んでしまうことを指します。
血管が縮むと血液の流れが悪くなります。
血液は栄養や酸素を運ぶ役割があります。
だから脳血管攣縮を起こし血液の流れが悪くなると
脳全体に栄養や酸素が行かなくなってしまいます。
そうなると脳が壊滅的なダメージを受けてしまいます。
つまり脳血管攣縮が起こると予後は不良になります。
脳血管攣縮は60年以上前にはわかっていました。
ですが、現在になってもなお、具体的な予防法や治療法は確立されていません。
原因についてはこちらの記事をご覧ください。
⇒くも膜下出血発症後に血管攣縮が起こる原因とは?
脳血管攣縮はくも膜下出血が怒ってから96時間くらい経過してから
3週間くらいまでの間に起こる可能性があります。
予後を悪くする因子3.70歳以上
3つ目の予後を悪くする因子はあまり知られていません。
ですが重要な因子です。
70歳以上の高齢者がくも膜下出血を起こすと予後が悪くなる確率が高くなります。
あるデータによると
70歳未満でくも膜下出血を起こした100人のうち
社会復帰できたのは63人で死亡した方は17人でした。
ところが70歳以上の高齢者でくも膜下出血を起こした100人の場合
社会復帰できた方は35人、死亡した方は29人でした。
つまり、圧倒的有意に70歳以上の高齢者の方が
くも膜下出血を起こした場合には予後が悪くなるといえます。
以上がくも膜下出血の予後を悪くする3つの因子でした。
結局のところ、元気に日常生活を送るためには
くも膜下出血にならないように予防をすることが重要ということですね。